石材加工

石には様々な種類があります。地元つくばでとれる筑波石は、斑レイ岩と呼ばれる黒い石です。硬いためあまり加工には向きません。一方、花崗岩(御影石ともいう)とよばれる白い石は、材も均一で比較的やわらかく、加工も容易であることが特徴です。日本庭園に置かれる石燈籠や水鉢といった加工品のほとんどは、花崗岩製です。 筑波石は、黒っぽく重厚感があります。花崗岩の白さは、庭に明るさがでます。また、自然石ならではの曲線と加工された石の直線や人工的な曲線美、「色」と「線」の対比も日本庭園の見どころのひとつです。古平園では、水鉢や灯りなどのガーデンアイテムの制作もしております。また、現在庭においてある水鉢や燈籠などの手直し作業もしております。

石材加工

廃材の石を加工して庭に再利用|御影石の加工【荒ビシャン仕上げ】

既御影石を加工して垣根の基礎として庭に再利用

石の加工1|表面を荒ビシャン仕上げで加工し木賊塀の基礎として庭に据えられた御影石

表面を荒ビシャン仕上げで加工し木賊塀の基礎として庭に据えられた御影石

お施主様の庭先に置かれていた切ったままの御影石(30cm×15cm×200cm)を荒ビシャン仕上げで木賊垣の基礎石として再利用しました。石は、再利用ができることが魅力です。石の表面を加工することで、硬い石でも味のあるやわらかい表情とすることができます。

石の加工2|原石から切り出された石 表面がツルツルしていてこのままでは庭に使えない

原石から切り出された石|表面がツルツルしていてこのままでは庭に使えない

石の加工3|御影石を荒ビシャン仕上げで表面を荒らす(一皮むく)ことにより庭に使えるようになる

御影石を荒ビシャン仕上げで表面を荒らす(一皮むく)ことにより庭に使えるようになる

 

御影石製の自然石から伽藍石を作製|石の加工

庭のリフォーム工事で、もともと庭にあった厚さの薄い自然石(御影石製)を引き取らせていただいたので、伽藍石として加工しました。
 伽藍石とは、寺社仏閣の礎石であったものを庭の飛石等に利用したものです。自然の形をした石に丸い大きな円を彫り上げるのが特徴で、庭では伽藍石そのものを鑑賞するほか、飛石の踏み分け石として利用したり、置物の台として利用されます。今回作った伽藍石は、円の大きさが直径約85cmとやや大きめで、円の上面は水が溜まらないように、平らではなくややかまぼこ状に加工されています。

自然石から伽藍石を制作|御影石、伽藍石、加工

   完成した伽藍石|石の加工

自然石から伽藍石を制作【作業前】|御影石、伽藍石、加工

自然石から伽藍石を制作【作業前】|石の加工

御影石製平橋の表面ビシャン加工|アプローチに使われていた敷石のリフォーム

以前のお庭にアプローチとして敷かれていた御影石製の平橋7尺×2尺5寸(2100×750)と呼ばれる四角く大きな敷石。表面がビシャンで仕上げられていましたが、加工があまり良くなく、角も立っていて庭の雰囲気に合わないため加工の手直しを行いました。角を少し丸め(面取り)、表面を荒らして柔らかみを出し、ノミではつったような表情に加工しました。また、表面を荒らすことによってアプローチに敷いた際に滑り防止となります。

御影石の加工(ビシャン)/庭、ビシャン、石、加工、茨城

加工の仕方によっては硬い石も柔らかい表情となる

石は再利用ができ、職人が加工をすることによってまた違う表情となります。
庭に使われる石燈籠や水鉢などの石製品の作り直しは古平園へ

御影石でつくる氏神様御社制作2

御影石製の氏神様御社が完成いたしました。原石(山から切り出されたままの石)を「せり矢」と呼ばれる石を割る道具を使って、目的の大きさに小割に加工します。次に寸法に合わせて石を平らに加工します。ほとんどの場合石切屋(大きな石を切るカッターをもつ業者)に依頼をしてしまいますが、神様を祀る御社ということですべて手作業でつくりました。石種は御影石です。おそらくつくば市小田か土浦市永井で採れる御影石ではないかと思います。どちらも閉山して産出してはおりませんが、知り合いの石材業者より譲り受けました。本来ならば御影石なので白いのですが、表層付近のものなのか黄色く錆がのって、柔らかく加工が容易でありました。とは言っても石なので硬いです。氏神様の御社を筑波石の台石にのせ完成です。

御影石の氏神様御社の本歌はこちら

御影石の氏神様1/茨城、御影石、石、氏神様

御影石の氏神様御社1/正面より

御影石の氏神様2/茨城、御影石、石、氏神様

御影石の氏神様御社2/側面より(棟飾りを彫りました)

御影石の氏神様3/茨城、御影石、石、氏神様

御影石の氏神様御社3/筑波石の台石にのせて完成

氏神様制作1/石でつくる氏神様御社

茨城県つくば市蓮沼の蓮沼川から水田に水を送る機場の敷地内にある御社です。御影石製です。何の神様を祀っているのか、いつ頃に作られたものなのか不明ですが、笠の照りと起りは何とも柔らかで、とても良いつくりの御社です。現在同じものを氏神様を祭る御社として作成中です。

氏神様の制作1/茨城、つくば、御影石、石、氏神様

石の氏神様制作1【側面より(笠の反りと起りの美しさ)】

氏神様の制作2/茨城、つくば、御影石、石、氏神様

石の氏神様制作1【正面より(簡素なつくりでバランスがいい)】

氏神様制作2|石でつくる氏神様完成・石材加工施工例

幻の素材との出会い

長い間お付き合いをさせていただいているお客様から譲っていただいた御影石です。長さ4m、幅40cm。旧家のお宅で、江戸時代後期~明治時代の頃に道から宅地へ堀を渡って行くのに架けられた橋として使われていたものです。その堀は、小田城(茨城県つくば市)の外堀だったそうです。現在は埋められて不要となっており庭に置かれていました。石の産地は、つくば市小田産でもう採掘はされておりません。重さは一本約1.5トンほど。いくら近くとはいえ、4mという長さのものを石山から切り出し、運び出す技術は、重機のない時代の職人の技術の高さを物語っています。もう採ることができないため、まさに幻の素材といえるでしょう。

御影石/茨城、つくば市、庭、小田城、石

長さ4mもある御影石の延べ石/茨城県つくば市